
宮内庁が「安閑天皇陵」として管理する大阪府羽曳野市の高屋築山古墳で22日、日本考古学協会など考古学、歴史学関係の16団体の研究者16人が立ち入り調査をし、墳丘の状況を観察した。
高屋築山古墳は古市古墳群南部に位置する長さ約120メートルの前方後円墳で、中世には畠山氏の居城として使われていた。世界文化遺産登録を目指す「百舌鳥( もず )・古市古墳群」の構成資産には含まれない。1992年の宮内庁の発掘調査では6世紀の円筒埴輪(はにわ)や須恵器が出土。東京国立博物館が所蔵するペルシャ製とみられるカットガラスの碗(わん)が出土したとの伝承がある。
研究者らは午後1時半から約1時間半かけ墳丘の裾部分などを歩いた。日本考古学協会陵墓担当理事の杉井健・熊本大准教授は「中世の築城時に本来の斜面を削って急にするなど大きく造り変えられている。形が左右非対称なことが特徴と言われていたが、本来は対称だった可能性もある」と話した。
陵墓は普段立ち入りが制限されているが、研究者団体の要望を受け宮内庁が2008年から条件付きで許可している。【花澤茂人】
毎日新聞 2019年2月23日 10時31分(最終更新 2月23日 10時31分)
https://mainichi.jp/articles/20190223/k00/00m/040/064000c