15日のベガルタ仙台-浦和レッズ戦後に、浦和サポーターが浦和への暴言のほか、仙台側の選手バスに向かって人種差別発言を行ったことについて、Jリーグの鬼武健二チェアマンは18日、勝ち点減を含めた厳罰を科す可能性を示した。
スポーツ報知によると、17日にJリーグ事務局に届けられた運営報告書には、浦和の一部サポーターの問題行動が明記されており、鬼武チェアマンは「直ちに調査している」と発言。浦和に対し、人物の特定を求めているという。
この試合では、浦和はシュート28本も放ちながら引き分けに終わり、一部サポーターが暴徒化した。浦和の選手バスを囲み「オ○○ー・サッカー。オ○○ー・フィンケ」と罵声を浴びせたほか、仙台選手のバスに向かって、外国人選手への人種差別となる発言を繰り返していた。
この人種差別発言が、より問題視されている。国際サッカー連盟では2006年に各国リーグで起きた選手、監督、サポーターらによる人種差別行為に関し、1度目は勝ち点3、2度目は同6をはく奪するなど厳罰を科すことを決めている。Jリーグ規約にも罰則が明記されており、鬼武チェアマンは「(調査の)中身によってはそれなりの処置をしないといけない」と話している。
「JAPANESE ONLY」―日本人以外はお断りと読める横断幕を試合中も放置していたサッカーJ1の浦和レッズが、Jリーグ史上初めて無観客試合の処分を受けた。
埼玉スタジアムで8日(2014年3月)に行なわれた試合で、男性サポーターの3人がゴール裏の観客席出入り口にこの差別的な意味合いが込めらた横断幕を掲げた。
気付いた警備員もいたが放置し、前半の試合終了後にファンから「差別と捉えられかねない」と指摘を受け、クラブ側が警備員に撤去を指示したものの、撤去されたのは試合が終了してからだった。
浦和レッズのずさんな運営に激怒したJリーグの村井満チェアマンは、今月23日に行われる清水エスパレス戦を無観戦試合とする厳しい処分を発表した。
行状悪い浦和サポーター!これまでもトラブルたびたびで制裁金
処分を受けた浦和レッズは、横断幕を掲げた男性3人のサポーターに対し無期限の入場禁止、15日以降行なわれる全試合で横断幕やゲートフラッグを禁止する措置を取った。
浦和レッズの渕田敬三社長は「浦和レッズのサポーターが近年起こしてきたトラブルを鑑みれば、制裁金を超える重い処分は当然のものと受け止めている」と話した。
浦和のサポーターが起こした最近のトラブルは、2010年5月の仙台-浦和の試合後に、サポーターが仙台選手に差別的発言をして制裁金500万円。13年8月には清水戦の試合前にサポーター4人が警備員に暴行して制裁金1000万円の処分を受けている。
ハーバード大卒の「パックン」ことパトリック・ハーランが「ジャパニーズ・オンリーの幕はまったく不愉快ですよ。アメリカでも市民権運動前に『ホワイト・オンリー』という表現があちこちに見られた。差別をまとめた2単語だ」と怒りを込めた。
それだけではなく、仙台の選手が乗ったバスに向かって外国人選手に対して差別的表現の罵声も浴びせ、ベガルタ仙台は浦和レッズへ厳重に抗議。
更に宮城スタジアムのレッズサポーターがいた座席も破損され修繕費用の請求も浦和レッズに対して行い浦和レッズは謝罪と修繕費用の負担を行った。
一昨年の2014年、さいたまスタジアムで行われたサガン鳥栖との試合で、スタジアム入口にグランドに背を向ける形で「JAPANESE ONLY」という横断幕を一部のサポーターが貼り付けた。
この横断幕を貼ったサポーターは「ゴール裏は自分たちの『聖地』であり、部外者に入ってきてほしくなかった」などと語ったが、この事態を重く見たJリーグは次戦を無観客試合とする制裁を課す。
また、浦和レッズも横断幕を貼ったサポーターとサポーターグループに対して、レッズの選手が出場する全ての試合とさいたまスタジアムへの無期限入場禁止とし、他のサポーターへも横断幕と旗を掲げる行為を禁止すると発表した。
2008年にガンバ大阪とさいたまスタジアムで対戦した時のこと。ガンバサポーターがレッズサポーターを挑発したとして険悪な雰囲気となり、試合終了後に両サポーターがものを投げ合うなどに発展。
その後、レッズサポーターはスタジアム周辺に居座る形で取り囲み、ガンバサポーターをスタジアムから出られなくしたのだった。この取り囲みは2時間にも及び、ガンバサポーターへ罵声を浴びせ続ける。
この事態にガンバサポーターはユニフォームを脱ぎ、埼玉県警の機動隊にガードされる形でスタジアムを後にし帰路へ付くことに。この事態を重く見たJリーグは浦和レッズに対して史上最高金額の制裁金2000万円、ガンバ大阪に対して1000万円の制裁金という処分を下した。